臨界院生の大爆発ブログ

ブラックゼミからエスケープした経歴のあるエンジニアがあれやこれやを綴っていくブログです。

『研究室行きたくない…』パワハラ満載のブラック研究室からは脱獄しよう!



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こんにちは、ぐりざいです。

少し余裕ができたので、今日は自分が体験したブラック研究室を離脱した話と、その時学んだブラ研に遭遇した時の対処法について話していきます。


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どんな研究室だったか

『ブラック研究室』と聞いて皆さんは何をを思い浮かべるでしょうか。多くの人は教授の研究のために学生が奴隷のように使役されている様子を想像すると思いますが、弊研究室は少し違った黒さを孕んでいました。

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①教授が研究をしていない

50歳代のお年をめされた教授でした。その人は特定の課題も得ず、大学に永住権を得て、のんびり授業をしながらすごしていました。

そのため、研究テーマに関しては何も与えられません。自分が見つけて、ゼミで受理されたら初めてテーマが見つかるといったルールです。よく言えば自由度が高く、悪く言えば放任主義で他人任せな研究室だと言えます。

教授の専門は機械学習とコンピュータビジョンでした。しかし、近年流行のDeep Learningについていけず、学生の方が理解しているのではないかと思わせる程、(生成モデルであるGANに対してAccuracyを要求する等)近年の研究状況には疎いいわば老害でした。

②教授以外の人間もブラック

ブラック企業を体験している人も同じ事を言うのですが、ブラック〇〇は環境ごとブラックです。

先輩に話を聞いても「死ぬ気で研究しろ」とか「寝る間を惜しんで時間をかけろ」しかいいません。

確かに研究は一月二月で完成するものではないし、根気も必要な行為です。しかしその人は「結果を出す事」ではなく「頑張る事」が目的になっているのです。皮肉にも一番追い込まれている人間程、教授が押し付けたこの思想に毒されていて本当に救いがない状況でした。

パワハラが酷い

以下、教授が我々学生側にしたこと。

  • 研究室の学生しか受講しなかった授業の初回「何やってんの?ゼミだよ。鍵取ってこい。」
  • 学生に鍵を投げつけてくる
  • 教授室の扉をノックしても居留守をする
  • プリンターのトナーを買ってくれないため資料の印刷ができない
  • 「学生は僕と違って講義が無いので時間が無限にある。だから寝ずに研究しろ。」
  • 学生の発表を聞かずにスマホをいじる
  • 学生が授業がある時間まで説教を続ける
  • 学生の発表を聞かずに自分が院生について思っている事を一方的に述べる
  • 修論締切間近に「この研究に新規性は無い」と放り投げる
  • ゼミ中に怒号を飛ばしてくる

ブラック研究室に入った結果

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(ダラダラ同情を求めるのは嫌いなので簡潔に述べると)鬱病にかかり、研究室のドクターストップかかりました。

学位は欲しいけどここでは研究したくないと考えた自分は、研究室を変更し、一年間留年し、その半年を療養に使うことを選択しました。

ブラック研究室にやられてしまわないために…

ブラック研究に所属し、失踪してしまっては様々な人に心配をかけ、自分のキャリアにも傷がついてしまいます。それを避ける3つの方法を教えます。

①研究室配属前に避ける

これが一番重要です。配属する研究室を検討する際、まず第一にブラック研究室を探して候補から除外しましょう。戦わずして勝つのが最上の勝利です。

ブラック研究室の見極め方

一見教授はいい人そうだし、テーマも楽しそう。ブラック研究室にはこんな罠が沢山。そこで、見てくれに騙されずに、ブラック研究室を見極め、避ける方法を伝授します。

  1. 教授とゼミ生の関係が悪くギスギスしている
  2. ゼミ生の顔から生気を感じない
  3. 失踪者が出る

のうち、一つでも満たしている項目があれば、研究生活はそれだけでワンランク上の難易度に設定されるでしょう。役満であれば真っ黒なので絶対に近寄らないで下さい

それでもこの研究室に入りたい!

しかし、それでもブラック研究室を自分から選んでしまう人が毎年います。我がブラック研究室を志願してしまった、もしくは我がゼミについて肯定的な意見を持っていたクレイジー後輩たちに理由を聞いたところ、

  1. やりたい研究がある
  2. 自分ならここでもやっていける自信が湧いてきた
  3. 自分はダメ人間なので厳しい環境で鍛えるしかない

等が主な理由でした。(ちなみに自分は配属当初『全部』当てはまっていました)

まず『1.やりたい研究があるについて』ですが、そんなにその研究がしたいなら他大学の同じ研究をしている研究室を調べ、院生として進学した方が100倍有意義です。そもそも進学がしたくないのであれば、大学は就活予備校と割り切って適当なテーマで卒業しましょう。ブラック研究室では、1年間の研究で得られる経験よりも遥かに重要なものを失います。やりたい研究を棒に振るのと人生を棒に振るの、どちらがいいですか。

次に『2.ここでもやっていける自信がある』についてですが、どうかそのポテンシャルを他の研究室で活かすべきです。バイタリティ溢れるあなたは本当は超優秀な人材です。どんな研究でも一定の成果が出せるでしょう。わざわざブラック研究室を選ぶ必要はありません。

最後に『3.厳しい環境で鍛えるしかない 』についてですが、どうかそんな悲観しないで下さい。研究はトレーニングの連続なので、殆どの場合は自然に成長します。自分の成績に全く自身が無い人が最終発表で優秀賞を取った例も見たことがあります。

しかし、毎年毎年先輩の焼き直しばかりのしょーもない発表ばかりするゼミも実在するので、本気で自己成長を成し遂げたい人は事前に卒研発表をちゃんと聞きに行き、人をダメにするゼミのリサーチを欠かさず行いましょう。

②ブラック研究室に所属が決まってしまったら

既に所属を決めてしまった人や、配属先の希望が通らず流れ着いてしまった人が読む項目です。

研究室外に味方を作れ!

研究室は非常に狭いコミュニティです。他の研究室がどんな雰囲気で、進捗がどのように進んでいるかを比較することで、ブラックな環境に呑まれなくなります。これはブラック研究室を避ける以外にも、自分の研究を客観的に見れるメリットがあります。ゼミの先輩と仲良くなる事も大切ですが、大学最後の(院生にとっては新たな始まりの)1年間だからこそ、人脈作りは積極的に行いましょう。

友達以外にも、参考にした論文の著者に質問をすることで関係が生まれるケースもあります。

③本当に辛くなったら

他の学生のように失踪…といきたいところですが、失踪の他にもっと前向きな手段があります。

学生相談室へ行こう

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それは、学内の学生支援機構に相談することです。然るべき場所に相談を持ちかければ、必ず親身になって応じてくれる人が居ます。

私の場合はまず、学生相談室の先生に相談しました。すると先生は専攻主任と相談してくださり、先生、専攻主任、研究室の教授の3者面談をする運びになりました。結果、研究室除籍の意思を教授に直接伝える事無くゼミを抜ける事ができました。

精神科に行こう

ここまで耐え抜いて心が折れそうになっている人は必ず何らかの精神疾患に罹っています。睡眠時間は足りていますか。「何をやっても楽しくない」と考えていませんか。

鬱病 チェック」などでググれば、自分がどれだけ精神的に追い込まれているかを客観的に測る事ができます。

https://utsu.ne.jp/self_check/

もしチェックで悪いを進められたら、精神科や心療内科に行きましょう。辛い話も何でも聞いてくれます。先生によっては、療養のために一年、もしくは半年の間の休学を提案してくれます。

休学するために親を説得しよう

大学院の学費を親が負担している場合、研究室の変更や休学、留年に関しては親の説得が必須だと思われます。精神的にまいっているけど、親は厳しいし、決して安くない学費を払っているのに休みたいなんて言える訳がない。そんな家庭での秘策があります。

精神科に通い、ウソをついてでも鬱病、もしくは自律神経失調症の診断書をもらいましょう。人を騙すのはもちろん気が引けると思いますが、鬱病を経験した自分からすると本当に病気になって、なにもできなくなってから報告するよりは遥かに建設的です。胡散臭い某少年革命家の言葉を借りますが、「死んだらいかん!」はマジです。

 

余談

先日、自分が好きだったアーティストが炎上しました。原因は、パワハラに見せかけて世間の注目を集めるいわば『炎上商法』です。

一ファンとして、公表された当初は「この人達がパワハラするような人じゃなくて本当に良かった!」「自分たちを驚かせるなんて流石!」とプラスな気持ちが浮かんだのは事実です。しかし、そのやり方が苛烈極まるもので、多くのファンやコラボしていたクリエイターが離れていった事が純粋に悲しく、今では「他にやり方があったのでは…」と考えています。 

さて、同アーティストへの批判としては「本気で心配したのに」「コラボしたバンドの顔に泥を塗った」等があります。これはごもっともであり、公式に謝罪文が投稿されるなどしました。しかし、「パワハラをネタにするなんてどうかしている!」「本当にパワハラを受けている人が傷ついた!」というちょっと毛色が違ったコメントも見受けられました。

自分はこのアーティストの手法を全ては肯定しません。しかし、それとは別に、はっきり言って、この手のコメントを行う正義漢タイプの人間が大嫌いになりました。この人達は常日頃からパワハラ被害者について考え、何か行動を起こしているのでしょうか。話題になった時だけ正義の味方を気取って「人を貶し、自分のイメージアップを図るためパワハラ被害者を庇護している」のではないでしょうか。正義の棍棒で人を殴りたいだけで、パワハラ被害者をその材料として使っているにすぎないのではないでしょうか。これって卑怯だと思いませんか。自分はそんな人に可愛そうだの何だの思われていて、しかもそれが大勢居るのを知ったとき、正直悔しい思いでいっぱいでした。

本記事は、そんな口だけ今だけの汚い人間を反面教師にし、パワハラで同じ苦しみを味わっている人を1人でも救うために何か自分に行動できる事はないかと考え、執筆を決意したものです。未熟にも自分には社会経験が無いため、語れるのは研究室やバイトで起こるパワハラ程度に限られます。生計に直結する企業からのハラスメントとは訳が違うでしょう。しかし、それでもこれは将来発揮されるであろう才能を潰す非常に重大な問題であり、多くの人が苦しんでいるのも事実です。

知名度もなく記事も4つ程度しかない小さいブログですが、1人でも目に止まって、その人の人生がより良い方向に進めば幸いです。